【管理職】1996年入社 技術職
【管理職】1996年入社 技術職
海上輸送で使うリーファーコンテナに
欠かせない、冷却装置の検査・修理
徐々に大きな仕事を任せながら
現場のスキルを上げていけるように
1996年9月入社
/ 工業高校卒
ソリューション・エンジニアリング事業部 リーファーグループ リーファーチーム
K.N
どんな仕事をしているのか
冷凍など温度管理が可能な「リーファーコンテナ」の検査・修理
海上輸送で使われるコンテナにはいくつか種類がありますが、私の部署で扱っているのは「リーファーコンテナ」と呼ばれるものです。皆さんがよく知っている鉄製のノーマルな「ドライコンテナ」に対して、「リーファーコンテナ」には庫内の温度を一定に保つための冷却装置が付いています。
現在は果物・肉・魚介類などの生鮮食品だけでなく、化学品、医薬品、精密機械などの輸出入でも厳密な温度管理を求められるようになりました。例えば精密機械であれば「リーファーコンテナ」を使って23℃前後を保って積み込まれ、きちんと管理できていれば船が温度の高低差がある場所を航海しても品質を保てます。また「CAコンテナ」という特殊なコンテナもあり、単に庫内を冷却し定温を保つだけではなく、酸素や二酸化炭素の濃度をコントロールしながらアボカドやバナナなどの生鮮食品の鮮度を維持できるものもあります。
私たちは大井・品川コンテナターミナルで、このような重要な役割を果たす「リーファーコンテナ」を扱います。積み荷前に行う使用前検査(PTI)・修理のほか、ヤード上での温度管理を行っています。
検査と修理の仕事とは
日本の輸出を支えるコンテナを整え、商船会社へお渡しする
時によって波はあるものの、1日あたり数十本のコンテナを検査し、船会社が無事に物品を輸出できるようお返しします。現場ではコンテナを「1本、2本」と数えますが、これはコンテナを長さのある箱として捉える習慣から来ているのかもしれません。
検査では、まず外観チェックを行い、ガス漏れがないか、ボルトが欠損していないか、コントロールボックスの電気部分に浸水しないかなどを確認します。次に絶縁抵抗計などを使って装置の心臓部分であるモーターやコンプレッサーをチェックし、問題がなければ電源を入れて試運転をします。
温度調節を司る「リーファーユニット」は日々進化していて、最新タイプでは0℃と-18℃の自己検査機能が付きました。これまで手動でテスターや圧力計を使っていた方法に比べると、どんどん便利になっています。
もし「リーファーユニット」に不具合があれば修理します。「前回の輸送で波をかぶってしまった」などの原因が分かればいいのですが、原因不明のまま来るものも多いです。手当たり次第にやって直すのではなく、「ここが原因では」と突き止め、実際に直して動き始めた瞬間にやりがいを感じます。「やっぱりここが影響したんだ」と自分の仮説に答えが出るからです。
現場の面白さ
不具合が起きても、「謎解き」として考え抜くのが面白い
装置であれば、必ず何かの原因があって不具合が起きています。その原因を探ってまた正常な状態に戻しますが、この作業はまるで「謎解き」です。1つ1つ確実に要素を見直して、そこから修理の手がかりをつかんでいく。遠回りでも構いません。最終的に答えに行き着いて直すことが大切です。
世界のリーファーユニットメーカーは主に4社あり、それぞれに特徴や長所短所を持っています。各社の傾向とこれまでの経験と掛け合わせて、修理という「謎解き」を進める仕事はとても面白いです。
以前、何日も不具合が直らないコンテナがあり、これはじっくり腰を据えてやるしかないと思って装置のチェック箇所を1つずつたどったことがあります。新しいタイプのコンテナだったので、未知の症状からなかなか答えが出ず、チームの仲間たちと相談してパソコンでデータを解析しました。すると、通常では閉まっているはずのバルブが誤作動により開いてしまい、庫内温度が安定しなかったのだと判明しました。チームで情報を共有して問題を解決でき、私たちにとって大変有意義な時間となりました。
若い世代への期待
徐々に大きな仕事を任せてもらった新人時代、後進にもその道を
私自身、コンテナに対する知識があまりないところからこの仕事を始めました。最初は簡単なことから教わり、徐々に難しい仕事を任されるようになって「上司に期待してもらっている」と自信が付いたのを覚えています。例えば大きな配管の溶接や100本近い配線の差し替えなどは、常に緊張を強いられる難しい作業です。1人で任されたときは「それができるレベルと認められたのだ」と捉えて、無事に完了させることができました。
これから来る若い社員の皆さんにも同じように徐々に実力をつけてもらい、成長が実感できるような仕事を割り振るようにしたいと思っています。
就活生へメッセージ
現在のスキルや能力にかかわらず、一生懸命やれるという気持ちがあれば大丈夫です。現場で必要なもの、例えば電気工事士や溶接技能者の資格、玉掛け、クレーン、フォークリフトなどの免許については、会社の負担援助を受けながら取得できます。
私も最近、新たに冷媒フロン類取扱技術者の資格を取りました。新しい職場や分野にチャレンジするときは誰もが分からないことだらけです。その上で失敗を怖れずにどんどん挑戦してほしいと思いますし、そのための機会は私たちで作っていかなければと考えています。