【管理職】2002年入社 技術職
【管理職】2002年入社 技術職
大型クルーズ客船のほか
木材チップ運搬専用船のクレーンなど
船舶産業とビジネスの土台を支える
機械整備を手がける
2002年4月入社
/ 商船系高専卒
神戸事業所 電気事業部船舶技術グループ
K.A
どんな仕事をしているのか
集中的に稼働するチップ船のクレーンを見守る
さまざまな種類の船がある中で、現在私たちが携わっているのは木材チップ運搬専用船です。チップは紙の原料として外地から輸入され、長さ200m以上ある大型船に積み込まれて港へ着きます。その後、船に装備されたチップクレーンを使って陸へ荷揚げされるのですが、そのクレーンが問題なく稼働できるように点検・整備するのが私たちの仕事です。
クレーンはチップを掴むグラブバケットが付いていて、1回で5〜7トンを掴み取ることができます。私たちが担当する船では3台のクレーンが設置され、着船後は24時間体制で荷揚げが始まります。チップの総積載量は約4万トン、これを約3日で空にします。
チップクレーンは上げ下ろし作業に加え、チップを積み込んだ貨物倉と貨物倉の間で180°繰り返し旋回するものです。トラブルなく動くよう点検・整備し、不具合があれば対応して遅滞なく作業を完了させるのが目標です。
特殊な勤務形態
トラブルを予防するための整備、不具合に対応するための技術
クレーン作業は集中的に稼働させる必要があり、中断なく済むよう事前の点検と整備には気をつかいます。クレーンは違和感なく動くか、発熱はしていないか、油やベアリングなどの基本的なチェックはとても大切です。これまでは電気系の仕事が多かったのですが、この仕事に就いてからはクレーンの構造や仕組みなど機械系の知識が増えました。稼働中にトラブルがあれば待機している船室に連絡が入り、対応して早く通常業務に戻せるようにします。
この仕事では船が着いたら3日間その船に泊まり込んで作業し、作業終了後は本船出港を見送って帰社します。1人で現場を担当するため、ある程度の経験値と知識を持ってからでないと配属されない部署だといえます。現在のチームメンバーも20年ほどのキャリアがある者ばかりです。
どんな仕事をしていたのか
大型クルーズ客船、産業用とは違う視点で仕上げる仕事
以前は発電機メンテナンスを行う部署に所属して、主に電気系統の担当をしていました。中でも特殊だったのは大型クルーズ客船の電気系修繕技師の仕事かもしれません。停船中の定期メンテナンスだけでなく、航海中も対応する技師としてお客様と一緒に乗船する勤務でした。
同じ電気系統でも一般商船なら不具合が直って動けばOKですが、客船は全然違いました。船には数百の客室があるため、空調設備などが多く入っています。船全体で使われる電灯は数万個、冷蔵庫だけでも200〜300台あります。修繕後の見た目も整えなければいけない、電灯がついていても色味が違うとお客様から指摘を受けるなど、仕上げの基準が独特だったのを記憶しています。
このときは10名ほどのフィリピン人スタッフを取りまとめ、英語でやり取りしながら任務を完了させました。学校ではあまり勉強しなかったので、英語は仕事をしながら覚えたようなものです。
船舶を扱う仕事
船舶ならではの整備と、原因を探っていく面白さ
さらに前、新卒で入った頃は新造船のエンジンの立上げをして引き渡す仕事をしていました。まず船の仕様でクリアしなければいけない数値があるので確認します。例えばこのハンドルに対してこの回転数まで上がるか、このハンドルの位置で何回転回させるか、スクリューの旋回秒数やパワーが合っているかなど、きっちり決まった数値との調整は不可欠です。
調整が終わると実際に動かしてみます。最初は予行運転として8時間かけて船を航行させ、エンジンや電気系統の動きを見ます。ここで防げる不具合は全て直し、その後に検査官が入る本番試験を8時間かけて行います。本番でエンジンにトラブルが出ては大変なので、予行ではボルト1本の緩みまでがチェック対象です。これらの緻密な確認で救われたことが何度もあります。
仮に回転数が出ない不具合があったとすると、プロセスの根本から原因を探ります。回転を司るセンサーは正常か、センサーと装置をつなぐ電線は切れていないか、装置を動かす電気系統は正常か、作業としてはかなり細かいものです。
理論的に物事をどんどん追いかけていくのは好きなので、「どこが原因なのか」を探す作業はあまり苦ではありません。症状から原因を予測して、結果が合っていると技術者としての嬉しさを感じます。
就活生へメッセージ
大型船舶となるとエンジン自体の大きさが4階建てのビルほどありますが、そんな機械でも自分で直せる、直せば応えてスムーズに動いてくれる、という瞬間はとても楽しいと思います。
ただし作業としては細かいものが続くので地道に進めていける人が向いているかもしれません。
今の部署は1人で進めていく責任もありますが、自分のペースで仕事を完結できる気楽さもあります。チームでも個人でも、それぞれの個性に合った職場がある会社だといえます。